導入事例

ホテルニューオータニ VIEW & DINING THE Sky

世界屈指の回転展望レストランが挑んだ紙台帳のデジタル化
伝統あるホテルにもたらされた“メリットばかり”の変革とは

円形フロアが360度回転する『VIEW & DINING THE Sky』(以下、THE Sky)は、日本が世界に誇る「ホテルニューオータニ」の最上階に位置するビュッフェダイニング。料理、サービス、眺望において圧倒的なクオリティを誇り、回転展望レストランとして、”5 Of The Best Revolving Restaurants In The World”に入るほどの評価を得ている。オープンから10年が経過した今も変わらぬ人気を誇る160席のTHE SkyにTableSolutionが導入されたのは2016年5月。現在では、導入前の想定を大きく上回る効果をあげ、まもなく全社的に水平展開されるまでに至っているという。今回は、株式会社ニュー・オータニ マネージメントサービス部課長・岩﨑州彦氏とTHE Skyの支配人である杉木義章氏に、運営本部と現場双方の視点から、システムの導入背景、導入後に実感した効果、そして将来展望について語っていただいた。

長年変わらない唯一無二の魅力が多くのファンを作る

東京オリンピック開催を数年後に控えた1960年、わずか17ヵ月間という驚異的な工期でホテルニューオータニの建設は進められた。多くの外国人が来訪すると予測される東京に、国際的基準を満たしたホテルを建造するという強い使命感を抱いていた、創業者・大谷米太郎氏のサービス精神は留まるところを知らなかった。

「利用客全員に美しい富士山の姿を見せたいとの思いから、ホテルの最上階に円形フロアの回転展望レストランを作りたいと熱望したのです」と語るのは岩﨑氏。もちろん、当時としては前例のない試みであったのだが、試行錯誤の末辿り着いたのが、戦艦大和に用いられる砲台の技術を応用する、という結論だった。

「砲台を支えるほどの強度とぶれることのない軸があったからこそ、50年を経過した現在でも、抜群の安定性を保ちながら回転をし続けていられるのでしょう。あれから国内外にいくつもの回転展望レストランが登場してきましたが、これほどの安定感で、機械音も発生せず、スムーズに回転し続けるレストランは、それほど多くはありません」(岩﨑氏)

オープン当初はカフェとしてスタート。さらにバーや中華ビュッフェなど業態を変化させながら営業を続けていたが、2007年の本館リニューアルオープンに伴い、『VIEW & DINING THE Sky』として生まれ変わった。ゲストの目の前で調理をして見せるという“ライブキッチン”を取り入れたスタイルは、当時としては画期的。以降、多くのビュッフェレストランが“THE Sky式”スタイルに追随するようになる、そんな“先駆け”として強烈な印象を放ったことは、今も記憶に新しい。

「ライブキッチンというスタイル自体は追随できるかもしれませんが、“フロア全体が動く”という強烈なエンターテインメント舞台は他に真似のできない唯一無二のものと自負。それこそが、オープンから10年が経過した現在でも、常に満席であり続ける理由のひとつなのだと思っています」(岩﨑氏)

鉄板焼、寿司をはじめ、和・洋・中・スイーツと揃う豊富な料理もさることながら、店内から望む東京の景色も見ごたえ十分。同店の支配人である杉木氏曰く、「特に、夜景は格別の"ごちそう"」なのだとか。食事だけでなく、レストラン体験そのものも魅力となり、今も多くのリピーターを生み出しているのだ。

そのリピート率の高さに加え、THE Skyのリピーターにはある特徴があると岩﨑氏は説明する。

「一般的なレストランのリピーターは、ご自身が気に入って、何度も足を運んでくださる“縦型のリピート”が多いのですが、ここは誰かに連れてきてもらったお客様が、また別の方を連れてくるというような、ファンのすそ野が無限大に広がる“横型のリピート”が特徴です。そういった観点からしても、恐らく日本のレストランの中でも珍しい存在といえるのではないでしょうか

歴史に培われた“伝統の”予約管理とその課題

歴史に培われた“伝統の”予約管理とその課題

そんな人気のビュッフェレストランにも運営上の課題はあった。杉木氏によると、当時のTHE Skyでは、創業当初から変わらぬ「紙と鉛筆」での予約管理をしており、ご来店されるお客様はほぼ事前予約で、その大半を電話予約が占めていたという。必然的に電話対応の負担が大きくなり、電話予約の取りこぼしや、管理上のミスが発生する可能性が散見される状態だった。

「古くからの“伝統”は予約の管理方法にも継承されており、当時のやり方はお電話をいただいて予約情報を紙に書き込み、さらに別に用意していた店内の配置図に落とし込んで残りの空席状況を確認していくという手法でした。当然、ヒューマンエラーは多発しますし、人数変更などのご要望があったら、まるでパズルゲームのように予約を入れ替え、手書きで調整していかなくてはならない。そんな状況にありながらも、台帳は一冊しかありませんから、三か所で電話対応をしていたら、もう台帳の取り合いでした」(杉木氏)

さらに加えて、グルメサイトからの予約も調整する必要もあった。電話予約に比べて圧倒的に件数は少なかったものの、毎日一定数の送客がある。予約情報を紙台帳に書き込み、それもパズルゲームに加えていく。さらにウォークインにも対応するとなると、もはや人知の域を超えた、複雑な予約管理になってしまっていたのだ。

このように、THE Skyにおいて課題を抱えながらの予約管理がされていた頃、ホテル内のフレンチレストランのパリ本店から、ネット予約と多言語対応の要請があった。当時、レストラン販促の責任者であった岩﨑氏は、元々システム化の遅れに対する課題意識があったため、これを機に本格的な調査・検討をはじめたという。

「他のホテルレストランの事例を調査したり、いくつかのシステムベンダーの営業担当者ともお会いしました。その中の一社として、VESPERさんからTableSolutionのご提案をいただいたのです。話を聞いてみると、私たちが求める要件はカバーされているうえ、柔軟にカスタマイズも利く。かゆいところに手が届くようなシステムだと判断をし、最終的にTableSolutionの導入を進めることとなりました」(岩﨑氏)

本店からの要請通り多言語対応のネット予約を採用し、加えて詳細な顧客情報を全て記録し全てのサービスマンで共有できるようになった。

この成功を受け、手を挙げたのが杉木氏だった。THE Skyの支配人となって8か月が経過し、予約管理において課題が浮き彫りになってきていた時期であった。当時を振り返り、杉木氏はこう語る。

「出勤すると2時間はたっぷり電話対応という状況でした。私たちサービススタッフが大変だということもありますが、それ以上に人為的なミスが生じることで、お客様の期待にお応えできないという歯がゆさがありました。またサービススタッフが電話に縛られていることで、目の前にいるお客様に十分なおもてなしができない…。これもサービスマンとしてはふがいなさを感じていました。そんな時に岩﨑が進めていたTableSolution導入の話を耳にして興味を持ったのです」

岩﨑氏も、「杉木のような若い支配人が率先して取り組んでくれて、しかも社内でもっとも忙しいTHE Skyが導入するとなれば、うまくいけば会社全体が変わっていく推進力となりえるのではないか?という期待が生まれました」と振り返る。

とはいえ、何十年間も続けてきたやり方をがらりと変えることに不安がなかったわけではない。

「私自身ではなく、一緒に頑張っているスタッフの負担になりはしないだろうか?という不安があったのは確かです。ところが実際にTableSolutionの操作画面を見たり、触ってみると非常にシンプルで使い勝手が良い。切り替え時には一時的に困難が生じたとしても、そこを乗り越えればスタッフにもメリットが大きいと判断したのです」(杉木氏)

ネット予約の活用で、深夜帯の予約の取りこぼしも解消

導入を決定してからというもの、THE Sky内部はもちろん、社内のあちこちからも不安の声があがったが、対してお客様へはスムーズに認知が進んだ。

それまでほとんどネット予約に注力できていなかったというTHE Skyだが、公式HPでのネット予約の受付を開始した当日から、早速10数件の利用があったという。

「そもそも、お電話でご予約を頂戴していた時から、いつも『ネットで予約できないのですか?』というお声をいただいていました。導入したばかりの3か月間においては9割が電話予約で、ネット予約はわずか1割にとどまっていたのですが、それが瞬く間に2割、3割と増加。現在では電話が7、ネット予約が3という割合になっていますが、これはあくまで人数の比率であって、件数だけで捉えると、半々というところまできています」(杉木氏)

もっとも成果が表れたのは、深夜帯の予約を取りこぼさずに拾えるようになったこと。店がクローズする22時以降、朝までにネットを介して多くの予約を確保することができるようになったという。

「会社帰りの電車の中で、スマホからご予約をされるのでしょう。実は、導入前から、夜間予約の取り込みがもっと見込めるのでは?との画策はあったのですが、想定以上の反響があって驚いています。もちろん、営業中の電話予約件数も減って、スタッフの負担も大きく軽減されました。ホテルマンとしては電話対応もサービスの一環であると認識しており、必要不可欠な業務であることは理解しています。しかし、お客様の中には、予約をもっと手軽に済ませたいという方もいらっしゃいます。『この日、2名で行きたいから』というシンプルなことを伝えたいだけなのに電話がつながらない…。ネット予約を始めたことで、お客様にとって予約方法の選択肢が増えたことが最大のメリットではないでしょうか」(杉木氏)

定期的に開催されている支配人会議も非常に楽になったという。

「会議に必要なレポートもボタン一つで出力できるようになりました。それまでは台帳を紐解いて、ひとつひとつ数字を拾っていかなくてはなりませんでしたから、非常に効率が良くなりましたね」(杉木氏)

THE Skyさま予約傾向

2016年TableSolution導入直後

  • 電話予約
  • 自社ネット予約
  • グルメサイトA予約
  • グルメサイトB予約

2017年TableSolution利用1年後

  • 電話予約
  • 自社ネット予約
  • グルメサイト予約

ネット予約全体の36%が時間外

  • 22時~11時まで
  • 11時~22時まで
TableSolutionの導入が大きな第一歩に

TableSolutionの導入が大きな第一歩に

THE Skyの取り組みによってカタチとなった成功事例が、社内全体に刺激を与えたと岩﨑氏は指摘する。

「THE Skyの成功事例が背中を押してくれたおかげで、今期中にホテル内の直営ほぼ全店舗でTableSolutionを導入することが決定しました。各店舗、それぞれにサービススタイルが違いますから、カスタマイズができるというTableSolutionの特長を活かしながら個別に対応しつつも、統一したシステムで管理できるのは、当社にとっても非常に大きなメリットがあると感じています。もちろん、正直言って、まだまだ抵抗感を持っている人も少なからずはいます。でも、THE Skyが夜間帯の予約取り込みによる売上アップと、管理の効率化による人件費削減というカタチで、実際にその効果を示してくれたことは、まさに大きな一歩となりました。そもそもホテルニューオータニの“ニュー”は新しいことをやっていくのだという決意の表れであり、これまでも先人たちは新しい挑戦を続けてこられた。チャレンジするという伝統を守っていくのも私たちの大切な役割だと思っています。その上でも、今回のTableSolutionの導入には手ごたえを感じています。」(岩﨑氏)

TableSolutionを導入したことが、会社が変わっていくための大きな一歩となったというお二人。それぞれの立場で、将来のビジョンをお聞きした。

「2020年に向けて、グローバルスタンダードの確立は必須だと思っていて、それには海外ホテルブランドとの差別化が課題となっています。その中でも、個性的なレストランは武器になると考えており、このTHE Skyはもちろん、日本庭園の真ん中にある鉄板焼きレストラン「石心亭」など、付加価値のある飲食施設を世界に向けてアピールしていきたい。これからもエッジの利いたホテルであり続けたいと思っています」(岩﨑氏)

「THE Skyの支配人としての立場からお話をさせていただければ、オリンピック以降も見据える必要があると思っていて、そういった意味では、現在、当店をご愛顧いただいているお客様との関係性の強化も重要。ひとりでも多くのTHE Skyファン、あるいはホテルニューオータニのファンを作っていくために、TableSolutionの顧客管理システムをどんどん活用していきたいと思っています」(杉木氏)

3年後には2度目のオリンピックを迎える。TableSolutionと歩むTHE Skyの未来は絶景に違いない。

ご活用いただいている機能

ネット予約(TableCheck)

お店がクローズする22時~翌日オープンまでの予約の取りこぼしを防ぐことに成功。営業中の電話予約も減り、これまで以上に目の前のお客様へのサービスに注力できるように。

レポート作成・分析

毎月行われる支配人会議に必要なレポートもボタン1つで出力可能。すべての予約情報をデータ管理することで、詳細な予約の分析やその後PDCAまで効率的かつスピーディーに実施できるように。

顧客情報管理

お客様の利用状況や好み・特性などの情報を蓄積し、顧客認知に活用。メルマガ会員の管理にも活用しており、TableSolutionの高度な顧客検索機能で、来店回数、日時、好みなどでターゲットを絞込みマーケティング施策に活用。

translation missing: ja.cases.the_sky.article03.name_title

マネージメントサービス部 マーケティング課 課長 岩﨑 州彦氏
VIEW & DINING THE Sky 支配人 杉木 義章氏

機能概要

お問合せ

【読む】

お問合せありがとうございました

内容を確認させて頂き、担当者からご連絡を差し上げますので今しばらくお待ちください。 なお、お問合せ内容によっては返信に時間がかかる場合や、回答しかねる場合がございます。 予めご了承ください。